避妊に失敗したとき、または避妊せずに性交渉をしてしまったとき、多くの人が頼る「アフターピル」。

しかし、どれだけ早く服用すれば効果があるのか、正確な時間や使用方法については意外と知られていません。

この記事では、「アフターピルは何時間以内が効果的なのか?」という疑問に答えるとともに、正しい服用タイミングや注意点を詳しく解説します。

アフターピルとは?

アフターピルの仕組みと種類

アフターピルとは、性交渉後に服用することで妊娠を防ぐための緊急避妊薬です。

主に排卵を遅らせたり、受精卵の着床を防いだりする働きがあります。

例えば、レボノルゲストレルを主成分とする「緊急避妊薬(LNG法)」や、排卵を抑制する「エラワン(UPA法)」などがあります。

これらは使用タイミングによって避妊成功率が大きく変わります。

緊急避妊と通常の避妊との違い

通常の避妊方法(コンドームや低用量ピルなど)と異なり、アフターピルは「予防」ではなく「緊急対応」の手段です。

そのため、継続的な避妊手段として使うべきではありません。

たとえば、アフターピルはホルモン量が多いため、副作用も強く出ることがあります。

誰がアフターピルを使うべきか

避妊に失敗した場合や、望まない性交渉があった場合に、妊娠を防ぎたい人が対象です。

たとえば、コンドームが破れた、装着し忘れた、排卵日付近だったなど、リスクが高いタイミングで使用されます。

年齢制限は基本的にありませんが、医師の診断を受けることが推奨されます。

服用タイミングはいつまで?アフターピルの効果的な時間

最も効果的なのは性交後24時間以内

アフターピルは、性交後できるだけ早く服用することが最も重要です。

具体的には、性交から24時間以内に服用すると、妊娠阻止率はおよそ95%と非常に高いです。

これは、排卵を抑える効果が最大限に発揮される時間帯だからです。

たとえば、夜に避妊に失敗した場合、翌朝にはすぐにクリニックを受診するのが理想です。

72時間以内でも効果はあるが低下する

アフターピルは性交後72時間以内ならば服用可能ですが、時間が経過するごとに避妊効果は低下します。

たとえば、24〜48時間以内だと妊娠阻止率は約97%、48〜72時間以内だと約75%まで下がると言われています。

つまり、「なるべく早く」が鉄則なのです。

120時間(5日)以内の選択肢もある

「エラワン(UPA)」という種類のアフターピルは、性交後120時間(5日)以内まで効果があるとされています。

ただし、こちらも早く服用するほど効果が高いため、時間の猶予があるからといって遅らせるのは避けましょう。

たとえば、生理周期や排卵のタイミングによっては、5日以内でも妊娠する可能性があります。

アフターピル使用時の注意点と副作用

吐き気や頭痛などの副作用について

アフターピルを服用すると、ホルモンの急激な変化により副作用が出ることがあります。

たとえば、吐き気、めまい、頭痛、乳房の張り、不正出血などが報告されています。これらは通常、1~2日でおさまりますが、長引くようであれば医師の診断を受けましょう。

生理の遅れや不順が起こることも

アフターピルを服用した後は、生理周期が一時的に乱れることがあります。

たとえば、早く来ることもあれば、逆に1週間以上遅れる場合もあります。

この場合でも、完全に生理が来ない場合には妊娠の可能性もあるため、市販の妊娠検査薬で確認することが重要です。

継続的な避妊方法への切り替えが必要

アフターピルはあくまで「一時的な緊急措置」です。

何度も使うものではなく、今後の妊娠を防ぐには、継続的な避妊手段(たとえば低用量ピルや避妊リングなど)への切り替えが必要です。

医師や婦人科専門医と相談して、自分に合った方法を選びましょう。

アフターピルの入手方法と相談先

医療機関での処方が基本

日本では、アフターピルは医師の診断に基づいて処方されるのが基本です。

たとえば、婦人科やレディースクリニックで「緊急避妊を希望」と伝えると、医師が状況を確認して処方してくれます。

診察時間や予約状況によっては即日対応も可能です。

オンライン診療の活用も可能

近年では、オンライン診療を活用してアフターピルを処方してもらうことも可能です。

たとえば、自宅にいながらスマホで診察を受け、最短で当日中に薬を受け取ることもできます。

地方在住の方や外出が難しい方には特に便利な方法です。

市販薬としての入手はまだ限定的

現在、日本ではアフターピルの市販化は一部議論中であり、原則として医師の処方が必要です。

そのため、ドラッグストアなどで自由に購入することはできません。

安易に海外の通販サイトなどを利用すると、偽物や品質不良の薬を購入してしまうリスクもあるため注意が必要です。

まとめ

アフターピルは時間との勝負!早めの対応がカギ

アフターピルは、性交後できるだけ早く服用することが効果を最大限に引き出すポイントです。

最も効果的なのは24時間以内、それを過ぎても72時間以内ならある程度の効果がありますが、時間とともに避妊率は低下します。

そのため、「迷ったらすぐに行動」が鉄則です。オンライン診療なども活用し、迅速に正しい対処を行いましょう。また、アフターピルはあくまで緊急避妊薬ですので、今後のためには継続的な避妊方法の検討も重要です。

自分の体を守るためにも、正しい知識を持って賢く選択していきましょう。